いらすとや商用利用の落とし穴!「20点の壁」と有料条件を徹底解説
街中のチラシからテレビ番組、YouTubeの解説動画に至るまで、見かけない日はないイラストレーター・みふねたかし氏のフリー素材サイト「いらすとや」。親しみやすいタッチと膨大なバリエーションで多くの企業やクリエイターに重宝されていますが、ビジネスで活用する際には見落としてはならない明確なルールが存在します。
「フリー素材だから何枚でも無料で使える」と思い込んで利用していると、思わぬ利用規約違反や著作権トラブルに巻き込まれるリスクを抱えることになります。ビジネスシーンで安全に活用するために知っておくべき「無料と有料の境界線」や点数の正しい数え方、媒体別の注意点を分かりやすく解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:非商用利用は点数無制限で完全無料だが、商用利用は「1つの制作物につき20点まで」が無料枠の上限となる。
- 要点2:YouTube動画やチラシ、Webサイトなど媒体ごとに「点数の数え方」が異なり、重複利用やパーツの扱いにも厳格なルールが存在する。
- 要点3:ロゴへの使用やグッズ販売などの商品化は原則禁止されており、21点以上の商用利用には事前の有償申請が必須となる。
【無料の境界線】商用利用は「20点まで」?知っておくべき基本ルールと利用規約
いらすとやの素材は、著作権を放棄したパブリックドメインではありません。すべてのイラストの著作権は作者であるみふねたかし氏が保持しており、ユーザーはサイトに明記された利用規約の範囲内で利用を許諾されているに過ぎません。
最大のポイントとなるのが「商用利用の判断基準」と「無料点数枠」の関係です。個人的な趣味の範囲や学校教育での非営利目的であれば点数の制限なく無料で利用できますが、営利を目的としたビジネス利用においては1つの制作物あたり非商用枠を超えて20点までが無償と定められています。
「自社の利益に直結するかどうか」が商用利用の分かれ目となります。会社の広報活動、商品の販売促進、集客を目的としたオウンドメディア、広告収入を得ている動画配信など、間接的にでもビジネスに関わる用途はすべて商用利用と判断されます。
【要注意】いらすとや商用利用における「点数の数え方」と20点の壁
商用利用で最もトラブルになりやすいのが、規約にある「1つの制作物につき20点まで」という点数のカウント方法です。制作物の単位を誤解していると、気づかないうちに規約違反となってしまうケースがあります。
媒体ごとの数え方の基準は以下の通りです。
- チラシ・パンフレット・ポスター:「1つの印刷物(1案件)」で合計20点まで。両面印刷のチラシであれば、表裏合わせて20点以内におさめる必要があります。
- Webサイト・ブログ:サイト全体ではなく「1ページ(1記事・1URL)」につき20点まで。複数の記事に分けて使う分には、それぞれ20点以内であれば問題ありません。
- パンフレットや冊子:1ページごとではなく「1冊の冊子全体」で20点までとなるため、ページ数が多いカタログなどは注意が必要です。
- YouTubeなどの動画コンテンツ:「動画1本」につき20点までカウントされます。
数え方の細かなルールとして、同じイラストを同一制作物内でサイズや色を変えて複数回使った場合でも「1点」として計算されます。一方で、表情違いやポーズ違いの別バリエーション素材は「別々の点数(2点)」としてカウントされるため、キャラクターの差分を多用する際は上限に達しないよう計算が必要です。
【YouTube・チラシ・Web】媒体別の商用利用注意点と収益化のリアル
現代のビジネスシーンでいらすとやが最も活用されている3大媒体において、知っておくべき具体的な注意点を整理します。
まずはYouTubeをはじめとする動画配信です。広告収入を得ているチャンネルや企業案件のタイアップ動画はすべて商用利用に該当します。前述の通り動画1本あたり20点まで無料ですが、サムネイル画像に使用したイラストも「動画コンテンツの一部」とみなされるため、本編とサムネイルで使ったイラストの重複を除いた総数が20点以内に収まっているか確認しなければなりません。
次にチラシ印刷や店頭POPなどの販促物です。店舗のセール告知や新規オープンの案内チラシにいらすとやを活用するケースは非常に多いですが、イラストをメインとしたデザインにしてしまうと「イラストそのものを売りにした商品」と誤認されるおそれがあります。あくまで商品やサービスの説明を補足するアイコンや挿絵として配置するのが規約に沿った使い方です。
Webサイトやオウンドメディアでの利用では、ヘッダー画像やフッター、サイドバーなどの全ページに共通して表示される共通パーツに注意が必要です。共通枠に5点のイラストを固定配置している場合、各個別記事で使える無料イラストは実質「残り15点」となる計算になります。
【完全NG事例】商品化グッズ販売やロゴ作成が禁止されている決定的な理由
商用利用の範囲内であっても、有償・無償を問わず明確に禁止されているNG行為が存在します。特に以下の2点は法的なトラブルに直結するため厳禁です。
1つ目は、イラストを使用したグッズの販売や商品化です。いらすとやの素材をTシャツ、スマホケース、マグカップ、LINEスタンプなどに印刷して販売することは規約で固く禁じられています。カプセルトイや公式コラボ商品のように、みふねたかし氏側と正式なライセンス契約を結んでいる公式製品を除き、一般ユーザーが素材を商品化することはできません。
2つ目は、企業のロゴマークやサービスロゴへの利用です。いらすとやのイラストをそのまま、あるいは加工してシンボルマークやロゴに組み込むことはできません。ロゴは商標登録を伴うことが多く、他者とイラストの独占権を争う事態を防ぐため、商標登録の有無にかかわらずロゴとしての使用自体が禁止されています。
公序良俗に反するサイトでの利用、素材自体の再配布・転売、攻撃的・差別的なコンテンツでの利用も固く禁止されています。
【21点以上はどうする?】有償対応の料金体系と著作権侵害リスクを避ける申請手順
パンフレットの構成上どうしても25点使いたい場合や、大規模なWebリニューアルで上限を超える場合はどうすればよいのでしょうか。結論として、21点以上を使用する場合は有償対応(有料ライセンス契約)を結ぶことで利用可能になります。
有償利用を希望する場合、いらすとや公式サイトのお問い合わせフォームから事前申請を行います。料金体系の目安として、商用利用で21点以上使用する場合は「1点追加ごと」ではなく「使用した全体の点数(21点以上すべて)」に対して1点あたり税込1,100円〜(高解像度版が必要な場合は別料金)の費用が発生するのが一般的な運用ルールです。
無断で21点以上のイラストを商用利用した場合、利用規約違反となり、後から発覚した際に過去の使用期間に遡って正規料金や違約金を請求されたり、制作物の回収・破棄を求められたりする著作権侵害リスクを負うことになります。ビジネスの信用を守るためにも、点数オーバーが確実な案件では必ず正規の有償ライセンス手続きを行いましょう。
【いらすとやの商用利用】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:社内向けの会議資料やプレゼン資料に使う場合も「20点まで」の制限対象ですか?
A1:社内だけで完結し、外部に配布・公開されない純粋な社内会議資料であれば、商用利用の厳格な制限を受けずに20点を超えて使用しても問題ないとされています。ただし、社外のクライアントに提出する営業提案書や、一般公開されるセミナー資料などは商用利用とみなされるため20点ルールの対象となります。
Q2:イラストの髪色を変えたり、文字を書き加えたりする「加工」は認められていますか?
A2:デザインに合わせた常識的な範囲でのトリミング、色調補正、文字入れ、反転などの加工は許可されています。ただし、元のイラストのイメージを著しく損なう改変や、複数のイラストを無理に合体させてグロテスク・攻撃的な表現にするような過度な改変は規約違反となります。
Q3:YouTube動画を収益化していなければ、20点以上使っても無料ですか?
A3:広告収入や企業タイアップなどの収益が一切発生しない個人チャンネルであれば、非商用利用として20点を超えて無料で使えます。将来的にチャンネルを収益化(商用化)した段階で過去の動画も含めて商用利用の扱いとなるため、収益化を目指している場合は最初から1動画20点以内におさえて制作するのが安全です。
まとめ:正しい規約理解で安心・安全にいらすとやを活用しよう
親しみやすく利便性の高いいらすとやは、ビジネスの現場でも強力なコミュニケーションツールです。しかし、誰もが使っている素材だからこそ、利用規約の遵守が厳しく問われます。
商用利用における基本原則は「1制作物につき20点まで無料」「ロゴ・商品化は完全NG」「上限を超える場合は有償申請」の3点です。媒体ごとのカウント方法を正しく把握し、ルールに沿った運用を徹底することで、コンプライアンスを守りながら効果的なクリエイティブを制作していきましょう。 (出典: いらすと や 商用 利用(Yahoo!ニュース))